こんにちは、Jeff.Naoです。
スマートマネーと呼ばれる、市場に大きな値動きを作れるほどの資金力を持った機関は、様々な投資戦略を駆使し、株式、為替、先物などの市場おいて莫大な利益を獲得しています。そして、彼らの戦略に最も翻弄されて資金を失うのは資金力の少ない個人トレーダー達です。
個人のトレーダーがスマートマネーの戦略に惑わされず、利益を獲得していくためには、彼らの戦略を理解し、対立するのではなく彼らの流れに乗って利益を獲得していく様な戦略を立てていく事が必要不可欠です。
この様なトレードに対しての意識や戦略はスマートマネーコンセプトと呼ばれ、近年海外のトレーダーの間でも非常に有用に扱われていて、それはもちろんプロップトレーダーとして毎月安定した報酬を獲得する上でも重要な戦略となっています。
スマートマネーとは何か?スマートマネーコンセプトとはどういう考え方なのか?これらについての解説は以下の記事で行っていますので、所見の方は是非読んでみてください。
今回は、スマートマネーが取り入れている戦略の一つであり、非常に多くの個人トレーダーが市場で苦しめられているストップハンティング戦略について解説していきたいと思います。
これらの戦略を理解して、ぜひ今後のあなたのトレード戦略に役立ててください。
ストップハンティング戦略の基本
ストップハンティング戦略とは、ストップロスの予約注文が大量に入っている価格まで価格を動かし、強引に大量のストップロス注文を起こさせる取引戦略の事を言います。
ストップハンティングは短期トレードが活発なFX市場などでよく見られる光景で、日本では「ストップ狩り」と呼ばれる事も多く、この言葉を聞いた事がある人はもちろん、実際にこの「ストップ狩り」の動きによって損失を受けた経験がある人は多いと思います。
スマートマネーの巨大な資金力で価格を動かし、強引に大量のストップロスの予約注文を実行させる事で、チャートは滑るように急騰あるいは急落する動きになります。そして、その急騰あるいは急落の値動きの中で利益を得るのがストップハンティング戦略です。
これは、スマートマネーの代表的な取引戦略の一つです。
どうやってストップロス注文の予約状況を知るのか?
経験の浅いトレーダーに知られていない事が多いのですが、基本的には市場の売買の予約状況については多くの場合が可視化されています。つまり、どの価格にどれだけのストップロス注文の予約が入っているのかが、ある程度リアルタイムにわかるようになっています。
日本国内の証券会社でも、各金融商品の予約状況を確認できるツールを提供しているところがあるので、これらの情報は個人トレーダーでも様々な方法で取得する事は可能です。
しかし、やはり個人であらゆる情報を網羅するには限界がありますし、一般的にアクセスしやすいのは「その証券会社内での」注文状況です。しかし、スマートマネーは金融市場に精通している為、膨大な情報を整理し、非常に高い精度での情報を保有している為、どの価格になればどの様な値動を起こすのか、あるいはどの程度の利益を得る事が可能なのかが手に取るようにわかる様な状況にあります。
どんな場面でもストップハンティングの警戒が必要
ストップハンティングは、市場の値動きを起こさせるほどの巨大な資金力を持っているスマートマネーだけに許された短期取引戦略ともいえます。よほど大きな資金力を持っている個人のトレーダーでない限りは、リスクも高くこの様な戦略を取る事はまず出来ません。
そして、このストップハンティングは常に決まったタイミングで行われるわけではなく、不意打ち的なタイミングで実行される事が多いです。つまりは、市場においてはどんな場面でもストップハンティングが行われる可能性を警戒しておかなければならないのです。
基本的にはストップハンティングによって被害を被りやすいのは資金力の低いトレーダー、つまりは個人のトレーダーになりますが、彼らの戦略を十分に理解して備えをしていれば、これらのリスクを回避する事は可能です。
ストップハンティングが実行されやすい場面
ストップハンティングは不意打ち的なタイミングで実行される事が多いという話をしましたが、ある程度実行されるタイミングは予想する事は出来ます。最もわかりやすいのは、一般的に大量の予約注文が入っているであろう場面です。
ストップハンティングは大量のストップロスを刈り取る事で急加速な値動きを起こして利益を得るための戦略であるため、巨大な資金を投入して価格を動かした先に、大量のストップロス注文の予約が行われている事が前提になります。
例えば、損切りのタイミングとして、多くのトレーダーに意識されやすい場面に近づいた時には、ストップハンティングが行われる可能性が高いです。トレンドラインや過去に何度も反発をした抵抗線、0などのキリの良い価格をローソクが突き抜けてしまったタイミングは、多くのトレーダーが損切りを意識します。
つまりは、こういった場面は一般的に大量の予約注文が入っているであろう場面であり、こういった場面に近づいたタイミングでは、ストップハンティングが実行される事を警戒していかなければなりません。
また、一般的にチャート上で見えるトレンドラインや抵抗線だけではなく、トレーダー業界のインフルエンサーの情報や、各証券会社の提供している情報等で出てくるポイントも、多くのトレーダーに意識されやすいため、注文が集中しやすい傾向にあります。その為、自分が取り扱ういくつかの金融商品の情報を得られる環境をいくつか用意しておく事はとても大切です。
もう一点、ストップハンティングは参加者が少なく、相場のボラティリティができるだけ小さい時間帯に狙われやすいです。これは、市場に参加しているトレーダーが少ない方が、スマートマネーにとっても資金を投入した時に予想外な抵抗を受ける可能性が低く、目的とした方向に動かしやすくなるからです。
特に、為替の場合は通貨国の株式市場が休場となる日や、世界的に見ると市場の参加者が少ないアジア時間の早朝に実行される事が多い傾向にありますので、この様な時間帯やタイミングでトレードを行う際にはストップハンティングが実行される警戒が必要です。
ストップハンティングはこの様に行われる
もう少しイメージをしやすいようにストップハンティングはどんなタイミングで実行されるかを解説していきます。
ストップロス注文帯に近づいたタイミング
特に特別なファンダメンタルズ要素が無い場合、上記の様なシーンでは、多くのトレーダーは抵抗線で売りの注文が意識されやすく、同時にブレイクしてしまった時のリスクに備えて抵抗線の少し上にストップロス注文が置かれるケースが多いです。
このタイミングで、ストップハンティング戦略では、それと対照的に抵抗線の手前で大口の買いエントリーを行います(A)。この時大きな資産を投入した勢いで価格を動かし、売り注文を行っていたトレーダー達のストップロス注文帯まで価格が到達すると、売り注文のストップロス決済である買い注文が行われ、大量の買い注文によって価格が急騰する事が期待されます。
ストップハンティング戦略は短期の取引戦略である為、上記の図の場合は大きく価格が動いた後、上昇の動きが落ち着いたタイミングで素早く利益を確定させます(B)。
ストップハンティング後の反転のタイミング
比較的大きい抵抗線等がブレイクした際の、そのタイミングでファンダメンタルズ要素の有無はとても重要です。特にそのタイミングでファンダメンタルズ要素が無かった場合は、ストップハンティングの仕掛けの可能性が高くなり、その後の市場の流れが読みやすくなります。
ストップハンティング戦略が実行されてストップロス注文が発動しマーケットが大きく動いた後、通常は相場はその後の動きは反転して、元の流れに戻る傾向にあります。これは、ストップハンティングによって強引に動かされた価格の動きにはファンダメンタルズ要素は無いので、上記の図で説明すると、それ以上価格が上がる為の材料がないため、上値が重くなり、相場は再び反転します。
この様な反転したタイミングで、スマートマネーは反転した流れに再び資金を投入してきます(A)。その後、一定の利益を獲得した後に素早く利益を確定させます(B)。
相場の「ストップ狩り」と「ダマし」
日本のトレーダーによく言われる「ストップ狩り」や「ダマし」は、主にスマートマネーによるストップハンティング戦略によって行われます。この戦略は、市場の心理を巧みに操り、個人トレーダーのストップロス注文を巻き込むことで利益を得るものです。
上記で解説をした様に、スマートマネーは大量の注文を出して価格を急上昇させ、個人トレーダーの買い注文を誘います。その後、価格を急落させて買い注文を損切りさせ、同時にストップロス注文を巻き込みます。この一連の流れによって、スマートマネーは往復の利益を獲得するのです。
ストップハンティング戦略は、スマートマネーの巨大な資金力と、そこに属する超一流のトレーダーの高度なテクニックによって実行されます。そのため、個人トレーダーが対抗するのは非常に困難であると言えるでしょう。
個人トレーダーが取れる対策は?
ストップハンティング戦略に対して、個人トレーダーが完璧な対策を講じることは、残念ながら非常に困難です。その理由は、大口投資家は市場のあらゆるタイミングでストップハンティングを実行できるからです。
しかし、個人トレーダーがストップ狩りから身を守るための対策と予防策を行っていく事は、市場で生き残り、安定した利益を獲得していく上での非常に重要な要素です。
また、これらの対策はスマートマネーの動向はもちろん、市場全体の動きや心理を理解し、それらに対応する能力を養う事である程度は備える事が出来るようになります。
ポイントは4点です。
リスク管理をしっかりと行う
まず、大前提としてリスク管理の重要性をしっかりと理解することが大切です。ストップハンティングは、主に個人トレーダーのポジションを狙って市場を操作する行為です。日ごろからしっかりとリスク管理を行うことで、突然のストップハンティングが実行された時に備える事ができ、損失を最小限に抑え、資金を守ることができます。
リスク管理についてはこちらの記事の一部で解説しているので、良かったら読んでみてください。
適切なストップロスの値を設定する
トレードにおいて、勝つ取引があれば、負ける取引もある事は大前提です。その負ける取引において、ストップロス注文は、損失を最小限に抑えるための重要なツールです。
適切なストップロス注文を設定することで、ストップハンティングの実行によって、自分のエントリーした方向から相場が急激に逆行した場合でも損失を想定内の範囲に制限することができます。
ただし、ストップロス注文は現在の相場の勢いや、個々のトレード戦略に応じて適切にメンテナンスする必要があるので、常日頃からしっかりとしたチャートのモニタリングを行い、学習する事が大切です。
テクニカル分析をしっかりと活用する
テクニカル分析を活用して、サポート/レジスタンスレベルやトレンドラインなどの重要な価格水準を識別しましょう。これらの価格水準は、スマートマネーによるストップハンティング戦略が実行されやすい場所ですので、テクニカル分析を用いる事で対策が立てやすくなります。
一つの指標だけに頼るのではなく、複数の指標を組み合わせて分析することで、より客観的な判断がしやすくなります。
自身の感情のコントロールも重要
ストップハンティングの対策に限った事ではないですが、トレード中の感情の管理は非常に重要です。特にストップハンティングが実行された際には相場は大きく動き、トレーダーの感情も高まりやすくなり、冷静な判断が出来なくなってしまう可能性があります。
そうなった時に最も危険なのは、自身で立てたトレードルールを破ってリスク管理が不十分になってしまう事です。もちろん、運が良ければ同じ流れに乗って一撃で大きな利益を得る事が出来るかもしれませんが、それはもはや投資ではなくギャンブルです。2度、3度と同じ展開が訪れた際に、やがて取り返しのつかない程の大きな損失を受ける事になるでしょう。
どんな場面でも感情をしっかりとコントロールし、冷静な心で相場と向き合いトレードを行うことは、ストップハンティングから身を守る上でとても大切な事です。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、スマートマネーが個人トレーダーの資産を狙って仕掛けてくるストップハンティング戦略について解説させてもらいました。
残念ながら、個人トレーダーがスマートマネーと呼ばれる大口投資家が実行するストップハンティング戦略に対して完全な対策を取る事は非常に難しいです。
もちろん、チャート分析をしっかりと学習していきながらトレード経験を積む事で、市場の心理がより理解できるようになり、やがてはストップハンティング戦略を予測し、自身も同じ流れに乗って利益を得ていくようなトレード戦略を取る事も出来るようになるでしょう。
ただし、市場の心理は非常に複雑で変化しやすいため、個人トレーダーがストップハンティング戦略の流れに乗る為にはより高度な知識やトレード技術が必要とされますので、経験の浅いトレーダーの場合は流れに乗って利益を得る事よりも、損失を最小限に抑える様な対策を取る事が、結果的に毎月安定したトレード成績を残す事に繋がるでしょう。
私たちはIFCという自身のコミュニティを通じて、こういったスマートマネーが仕掛けてくる戦略の対策はもちろん、安定的な利益を獲得出来るトレード戦略の情報を提供し、より多くの個人トレーダーが積極的にプロップファームチャレンジに挑戦し、トレーダーとしての技術を手に入れ、大きな運用資金を獲得する為のお手伝いが出来るような活動を行っていきたいと思います。
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