こんにちは、Jeff.Naoです。
今回はスマートマネーコンセプトをトレード手法に取り入れる上で重要なポイントの一つである、フェア・バリュー・ギャップ(Fair Value Gap)と呼ばれる市場に発生する現象と、その傾向を考慮してトレード戦略に取り入れるための実践的な考え方と簡単な手法について紹介します。
フェア・バリュー・ギャップを理解する事は、スマートマネーコンセプト理論を用いたトレードをする上でも相場の傾向を理解する為にも重要なポイントです。
スマートマネーコンセプト理論についてわからない方、基本を詳しく知りたい方はこちらの記事で解説しているので、是非参考にしてみてください。
また、フェア・バリュー・ギャップの基本はとてもシンプルです。しかし、これを理解して自身の戦略に取り入れるだけで、今まで安定して勝てなかったトレーダーが劇的に勝てる様になったり、トレードに対しての考え方が180度変わる様な事になる可能性も高いでしょう。
しかし、日本の個人トレーダー界隈ではまだまだ認知度が非常に低く、この記事ではフェア・バリュー・ギャップとして解説しますが、他にも同意義でヒドゥンギャップやインバランスという様な呼ばれ方もするのですが、どれも日本語で解説しているコンテンツは少ないと言えます。
ただ、私はこのフェア・バリュー・ギャップに関しては、市場の動きを理解する上で、全てのトレーダーがまず最優先に理解するべき重要な根本原理が含まれているものだと考えています。
この記事では基本から市場に関わる重要な傾向、手法等について出来る限りわかりやすく解説していきますので、是非学習していってもらえればと思います。
フェア・バリュー・ギャップ(Fair Value Gap)の基本
フェア・バリュー・ギャップは、3つのローソク足のフォーメーションからなるもので、以下の図の様に左右のローソク足と真ん中のローソク足で、値幅が被っていない価格帯を指します。
発生頻度は低めですが、基本的にはどんな銘柄でも、またどんな時間足でもフェア・バリュー・ギャップが生じるローソク足は必ず出現します。各銘柄、相場の状況等によって異なってきますが、チャート上では、全体の約2割がフェア・バリュー・ギャップが生じると言われていますが、発生頻度は足が短いほど高く、長いほど低くなっています。
また、フェア・バリュー・ギャップの大きな特徴として、発生したギャップはその後埋められる可能性が非常に高いです。窓埋めの様なイメージで、いずれという話をすれば、ほぼ必ず埋められると言われています。
ただし、あくまでも「いずれ」という表現であり、いつ、どのタイミングで埋められるかは決まっていませんので、この点は注意が必要です。次のローソクで埋められる事もあれば、翌日、翌週、或いは数年後まで埋まらない事もあります。
また、一度発生したギャップが埋められた後は、その機能を失いますので、トレンド相場等の場合は利確や損切のタイミングにも注意が必要です。
実際のチャートでの検証
では、実際のチャートではフェア・バリュー・ギャップが発生した後、どの様に市場が動いているのかを見てましょう。
この記事を執筆開始したのが2024年3月5日になりますので、その時点でのFXのドル円の通貨ペアで4時間足のチャート画面を参考にして見てみましょう。
上記の画像でオレンジ色の四角で囲まれたポイントがフェア・バリュー・ギャップが発生したポイントです。今回の画像では、その後全てのギャップが埋められているのがわかりますね。
こちらは同日のユーロドルのチャートになります。こちらも発生したギャップは埋められていますが、最後のギャップはまだ埋められていないので、この後のギャップを埋めていく様な価格の流れを予想して戦略を立てる事は非常に有用でしょう。
ただ、画像で見られるようにギャップ発生後にそれなりの上昇も見せているので、同時に適切なリスク管理を行う事も忘れてはいけません。
この様に、発生したフェア・バリュー・ギャップは非常に高い確率で埋められる動きが見られるという特徴を持っている事がチャートから見てもわかると思います。
フェア・バリュー・ギャップ(Fair Value Gap)発生時の市場の状態
では、フェア・バリュー・ギャップが発生した時、市場はどの様な状態になっているのでしょうか?
この時、チャート上では大きな陽線または陰線を描いている事がほとんどです。つまりは市場で価格が大きく動いた状況になります。
買いと売り、需要と供給のバランスが上手く取れている時は相場は大きく動きません。しかし、このバランスが崩れたタイミング(インバランスの発生)で、注文が買いまたは売りに偏り、大きな陽線または陰線を描き、そこにフェア・バリュー・ギャップが発生する可能性が高くなります。
こういった事が起こる要因としては、指標発表時や突発のニュース、スマートマネーによる仕掛け等が挙げられます。
【重要】バランスの不均衡は修正されやすい特性を持つ
金融市場には流動性の高さが求められています。つまりは、売り手と買い手の注文がバランス良く成立していて、参加者がいつでも売買の取引が出来る事が重要となります。
しかし、一方に過剰な値動きを起こした場合、反対方向の注文は成立しなくなる事はもちろん、市場参加者も安定しない相場の状態でのエントリーを慎重に見ている為、必然的に全体の取引量は少なくなり、相場の流動性が著しく低下している状態になります。
金融市場の特性として、この様な状態になった時、つまりは市場のバランスが崩れた場合、崩れたバランスを修正させる傾向にあります。つまりは、発生してしまったギャップを埋める様な動きをしやすくなる傾向にあります。
これらの動きは市場参加者の心理やテクニカル分析における戦略で考慮されやすく、更にはスマートマネーをはじめとした大口投資家たちにとってもポートフォリオのバランス調整の為であったり、市場を意図的に操作する事する為であったりと、積極的に資金が投入される場面でもあります。
この様なインバランスの発生→不均衡の修正が市場では常に繰り返されており、フェア・バリュー・ギャップが発生しにくい、あるいはフェア・バリュー・ギャップが発生した場合はそのギャップを埋める為の動きが見られやすくなっているのです。
フェア・バリュー・ギャップ(Fair Value Gap)を活用した手法
さて、ここまででフェア・バリュー・ギャップに関しての基本的な話をさせてもらいましたが、最低限抑えておきたいポイントはとてもシンプルです。
市場は「基本的には」フェア・バリュー・ギャップを発生させない、あるいは発生したフェア・バリュー・ギャップを修正して埋うめにいく動きをする傾向があるという事です。
この点を理解している場合といない場合とでは雲泥の差です。逆に言えば、今までこの特性を知らなかった人がここで知る機会を手に入れたのであれば、この時点でトレーダーをしてのレベルが確実に1段階上がったと考えても良いでしょう。
フェア・バリュー・ギャップの傾向をトレードに取り入れる場合、主な手法としてはその特性から2つの戦略を取る事が出来ます。
- 1.フェア・バリュー・ギャップが発生しない事を基本とした戦略
- 2.フェア・バリュー・ギャップは埋められる事を基本とした戦略
これらについての戦略の立て方の基準になる様なものを簡単に解説してみたいと思います。
1.フェア・バリュー・ギャップが発生しない事を基本とした戦略
まず一つ取れる戦略として、基本的に市場ではフェア・バリュー・ギャップは発生しにくい傾向であるという事を前提としたトレード手法になります。
先ほど使用したユーロドルの4時間足のチャートを参考にしてみると、約50本程度の足に対してフェア・バリュー・ギャップが発生した足は5つ(オレンジの四角をつけ忘れましたが、左のあたりにも発生している)しかありません。
このチャートから見てわかる様に、基本的にはチャート上ではフェア・バリュー・ギャップが発生しない事がほとんどであり、更に1時間足、4時間足と長い足になればなるほど発生頻度が少なくなってきます。
その傾向を理解し、展開の予想が立てやすい局面でトレードを行うという事になります。
以下の図を見てみてみましょう。
次の足が始まったタイミングで大きく価格帯が開いた場合、その後のチャートの展開は上記のCaseAまたはCaseBのような動きをしていきます。
ここまでで説明している様に、市場ではフェア・バリュー・ギャップが発生しにくい様に値動きが起こる傾向から、上記の様な価格差が生まれた次の足の様な展開の場合、CaseBの流れを予想する方が基本的には優位であり、上記の図の点線間の値幅を高い確率で取れる可能性が高くなります。
こういった場面はチャート上でも発生頻度が高く、売買両方の場面で発生する事がありますので、超短期トレードの戦略としても取り入れる価値が十分にあります。チャートをしっかりとモニタリングする事で1日に数回こういった局面に遭遇する事が出来るでしょう。
戦略に取り入れる上での注意点
上記方法はトレードを行う上で非常に有用な戦略となりますが、いくつか注意するべき点もあります。
まず最も忘れていけない事は、どの場面でもフェア・バリュー・ギャップは発生し得るという事です。つまりは、その際にはエントリーした注文を損切しなければならない展開も必ず訪れるという事です。
フェア・バリュー・ギャップが発生したタイミングでは市場のバランスが崩れており、大きな値動きが発生する傾向にありますので、しっかりとしたリスク管理は行わなければ、コツコツと積み上げた利益を吹き飛ばしてしまう様な損失を受けてしまう場合もありますので、エントリー時点での素早いリスク管理は徹底して行う様にしましょう。
また、ボリンジャーバンドや5分足、15分足といった短期の時間足も同時にモニタリングして相場の勢いを見た上でフェア・バリュー・ギャップの発生の予想も立てられますので、そもそもエントリーをするかどうかの判断ルールを設ける事で、トレードの精度も上げていきましょう。
もう一点、フェア・バリュー・ギャップは性質として時間足が長ければ長いほどに発生頻度が低くなっており、発生頻度が高い1分足や5分足の短い足の場合は、ギャップも発生しやすくなります。勝率を上げたい場合は4時間足以上、十分な戦略が立てられているとしても1時間足以上の長めの足をベースとして戦略を立てて行く事をお勧めします。
2.フェア・バリュー・ギャップは埋められる事を基本とした戦略
もう一つの戦略として、発生したフェア・バリュー・ギャップはいずれ埋まるという性質を利用したトレード手法になります。
上記のチャートで見てもわかるように、発生したフェア・バリュー・ギャップはその後の値動きで埋められる可能性が高いため、利益を取る為にこの傾向はトレード戦略を立てる上で考慮したい点ではあります。
ただし、「フェア・バリュー・ギャップは埋まりやすい」という事は周知されて事実であり、その考え方は一見簡単そうに見えますが、実はある程度の分析やトレードスキルも必要とされるので注意しておきたい点もいくつかあります。
戦略に取り入れる上での注意点
まず重要なのは、フェア・バリュー・ギャップはいずれ埋まる可能性が非常に高いと言われていますが、その「いずれ」がいつ訪れるかがわからないという点です。
次のローソクで埋められる事もあれば、翌日、翌週、或いは数年後まで埋まらない事もあるので、ギャップ埋めを狙ったトレードをする場合、エントリータイミングは慎重に見極めなければ、何度もロスカットを受けてしまう場合もありますので、特に高いレバレッジでトレードを行っている場合は大きな痛手となります。
現在モニタリングしている足のモニタリングだけではなく、短い時間足もしっかりとモニタリングしながら、トレンドや相場の勢いを分析しながらエントリーチャンスを見極めていきましょう。
また、一般的にはフェア・バリュー・ギャップはギャップ幅が大きいほど、埋まりにくいと言われています。重要な指標な発表やニュースなどで急激な値動きが起きた場合に発生したものなどは簡単には埋まらないケースが多いので、全てのギャップを狙わずに、狙うパターンと見送るパターンを見極めるトレードルールを立てて行く事が大切です。
まとめ
いかがでしたか?
簡潔な解説になってしまいましたが、フェア・バリュー・ギャップの傾向をトレードに取り入れる事は非常に有用であり、シンプルかつ、正しい使い方をすれば高い効果を得やすいという事は間違いありません。
また、そのシンプルさの中に奥深さもあり、アレンジの幅も広いです。
私の知るトレーダーの中にはフェア・バリュー・ギャップの傾向だけに注視した独自のトレード手法で10億円を超える資産を手にした方もいます。
是非、トレード勝率を上げたい、成績を上げたいと思っているトレーダーの方は、過去と現在のチャートをモニタリングしながら、このフェア・バリュー・ギャップの傾向を分析して、あなたが持つトレードスキルの一つとして取り入れてみてください。
フェア・バリュー・ギャップを作らせない動き、そして発生してしまった場合にギャップを埋めていく動きを自分自身の目で観察してみる事で、よりその特性や心理を理解する事が出来て面白いと思います。
また、近年海外で大きく注目されているスマートマネーコンセプトの理論をトレードに取り入れていく上で、今回紹介したフェア・バリュー・ギャップは市場の心理や流れを理解するという目的では、非常に大きな意味を持ちます。
市場の流れをいち早く先読みする事が出来れば、それはエントリーポイント、利益の獲得、リスクの管理等、様々な場面で有利なトレード戦略を展開出来る様になります。
今後、私たちの主催するコミュニティの参加者には、フェア・バリュー・ギャップに限らずトレーダーとしてステージアップする為の重要なエッセンスをより詳しく、実践的な形で解説していき、最終的にはプロップファームから資金を獲得して、プロップトレーダーとしての新しい稼ぎ方を身に付けていって貰いたいと考えています。
もし、あなたが今回の記事で私たちの考え方に興味を持ってもらえたのであれば、私たちのコミュニティに是非参加してみてください。他にも最新のプロップファームの情報や、「プロップファームチャレンジ」に合格して資金を獲得するためのお手伝い、トレードで安定して利益を出す方法などをお伝えさせてもらっています。
これらはトレーダーの新しい生き方としてのコミュニティを広げていきたいので、参加は無料です。性質上有料のサービスの紹介も行っていきますが、勧誘等は一切行っていませんし、参加するだけでメリットがあるようなコミュニティを作っていきたいと思っていますので、是非気軽に参加してもらえればと思います。