こんにちは、Jeff.Naoです。
今回は、相場の値動きをシンプルに表した「ICT Power of Three」について解説していきます。
ICT Power of Threeは、相場がどのような流れで展開していくのかを分かりやすく示したモデルであり、スマートマネーによる相場の動かし方を理解するうえでも非常に有効です。
これまで本ブログで解説してきた内容と一部重複する部分もありますが、相場の値動きの全体像を捉えるモデルとして理解しておくことで、トレードにおいて優位性を築きやすくなります。
SMCを実践している方だけでなく、「エントリーした途端に逆行して損切りになることが多い…」と悩んでいる方にも、ぜひ参考にしていただきたい内容です。
ICT Power of Threeの概要
相場の値動きは、シンプルに見ると次の3つの流れに分けることができます。
Manipulation(マニピュレーション)…相場の値動きは、シンプルに見ると次の3つの流れに分けることができます。スマートマネーがストップを狙い、だましの動きを見せる段階
Distribution(ディストリビューション)…最後に、本当に進みたい方向へ相場が大きく動く段階
つまり、「レンジを作る → ブレイクしたように見せる → 反対方向へ大きく伸びる」というのが、Power of Threeの基本的な流れです。
これが、相場の値動きをシンプルに表した ICT Power of Three のモデルになります。
上昇の値動き
まずは、ローソク足1本の中における Power of Three の動きから見ていきましょう。
下の図は、陽線が1本確定するまでに価格がどのように推移していくのかをモデル化したものです。ここでは、日足をイメージしながら見ていただくと分かりやすいと思います。

値動きの流れとしては、まず市場開始後しばらくは、明確なトレンドを伴わないレンジ相場が続きます。これが Accumulation にあたります。
レンジが続くことで、その高値側と安値側には多くの注文、すなわち Liquidity が蓄積されていきます。
そして、十分にLiquidityが溜まった段階で、スマートマネーがレンジ下限をブレイクさせ、損切り注文を巻き込みます。これが Manipulation です。
その後、下方向へのブレイクによって売り注文が集まっているところへスマートマネーが大量の買い注文を入れることで、価格は反発し、本来の方向であった上方向へと動き出します。これが Distribution です。
この流れを日足ベースで考えてみると、実際の相場でも似たような場面を多く見つけられるはずです。
たとえば、東京時間でレンジを形成したあと、ロンドン時間に入るとレンジを下抜けたように見せかけ、その後は一転して逆方向へ大きく伸びていく値動きは、よく見られる典型的なパターンです。
下の図は、実際のチャートになります。

紫の縦線で囲まれた部分が、1日の値動きを表しています。この1日の流れをPower of Threeに当てはめると、東京時間がAccumulation、ロンドン時間の序盤がManipulation、その後のロンドン時間からニューヨーク時間にかけてがDistributionという構成になります。
下落の値動き
下落の値動きにおいても基本的な構造は同じで、「Accumulation → Manipulation → Distribution」という流れで相場が展開していきます。

最初にレンジ相場が続き、その上下に Liquidity が溜まっていきます。その後、一度は高値を上抜けるものの、そのブレイクは本物ではなく、結果的にダマシとなって下落へ転じていきます。
この流れを、実際の1日の値動きに当てはめると以下のようになります。

これも同じく、東京時間ではレンジが続き、ロンドン時間の初動で一度ブレイクしたように見せたあと、最終的には大きく下落していく流れになっています。
Power of Threeをトレードに活かす方法
ここまでPower of Threeについて、1日の値動きを例に解説してきました。
しかし、Power of Threeはローソク足1本が形成されるまでの値動きのモデルとして考えることができるため、日足に限らず、あらゆる時間足で活用することができます。
また、基本構造である 「Accumulation → Manipulation → Distribution」 の流れは共通しているため、「Accumulationの次にはManipulationが起こる可能性が高い」といった形で、相場のシナリオを組み立てる際の参考にもなります。
ただし、Power of Threeも決して完璧なものではありません。Accumulation、Manipulation、Distributionの各フェイズには厳密な定義があるわけではなく、実際の相場では判断が難しいケースもあります。
また、Distributionで明確な値動きが発生するためには、相場全体としてトレンドが発生しやすい環境であることも必要です。
このように、Power of Threeはあくまで、レンジからトレンドが生まれるまでの値動きをひとつのパッケージとして捉えるためのモデルに過ぎません。
そのため、実際のトレードで活用する際には、他の要素も含めて事前条件が揃っているかどうかを確認することが重要です。
Power of Threeをトレードに活かす方法
それでは次に、Power of Threeをトレードにどう活かすのかを解説します。
ロングエントリーの場合
ロングエントリーの基本的な形は、以下のようになります。

この形を狙ううえでは、まず相場全体が上昇トレンドにあることが前提となります。
その状態で、オーダーブロックの上でAccumulationが発生し、そのレンジを下方向にブレイクするManipulationによって価格がオーダーブロックまで戻ってきます。
このタイミングでロングエントリーを行うことで、スマートマネーの買いが入る水準に近い位置から仕掛けることができ、その後のDistributionによる上昇の流れに乗ることができます。
実際のチャートでは、以下のような形になります。

Manipulationでオーダーブロックに到達した際のエントリー方法は、大きく分けて2種類あります。
1つはそのままエントリーする「Risk Entry」、もう1つは下位足でCHOCHを確認したあと、下位足のオーダーブロックに到達してからエントリーする「Confirmation Entry」です。
ショートエントリーの場合
ショートエントリーは、ロングエントリーと逆の考え方になります。

下降トレンドの中では、オーダーブロックの下でAccumulationによるレンジが形成され、そのレンジを上方向にブレイクするManipulationによって価格がオーダーブロックまで戻ってきます。
このタイミングでショートエントリーを行うことで、スマートマネーの売りに近い位置から仕掛けることができ、高いリスクリワードのトレードが期待できます。
実際のチャートに当てはめると、以下のようになります。

この概念自体は、以前にも解説したことがあります
今回ご紹介したPower of Threeを使ったトレード例は、以下の記事で解説した「エントリー水準でレンジを挟むタイプ」と同じ概念です。


Power of Threeで実際の相場を検証してみよう
今回は、ICT Power of Three について解説しました。
Power of Threeは、ローソク足1本が形成されるまでの値動きの流れをシンプルに表したモデルですが、さまざまなトレード手法に応用できる考え方でもあります。
レンジブレイクを狙ってエントリーしたにもかかわらず、すぐに反転してダマシとなり、損切りに終わってしまうことが多い場合は、エントリーに至るまでのトレンド認識が適切でない可能性があります。
Power of Threeは、時間足を問わず相場のさまざまな場面で確認することができますが、まずは アジア市場 → ロンドン市場 → ニューヨーク市場 という市場の流れを意識しながら観察することで、理解がより深まりやすくなります。
ぜひご自身のチャートでも確認しながら、トレードに取り入れてみてください。







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